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自己破産

自己破産の基礎知識。メリットとデメリットを総まとめ。

投稿日:2017年1月3日 更新日:

自己破産とは言葉は非常に有名です。メディアでもよく目にするし、漫画や映画、TVドラマなどの娯楽作品にも頻繁に登場します。

ただ、良く世の中で使われる分、「自己破産すると選挙権が無くなる」というようなデマも広がりやすく、誤って理解している人も多い印象です。

今回はその自己破産の正確な意味と、メリットデメリットをまとめます。
基礎解説だから長くなるけど、気合い

自己破産とは

自己破産とは、破産手続きの一つです。借金のある人(債務者)が自ら申し出て破産するから、自己破産なわけですね。

破産することで、債務(借金、負債)はなくなりますが、代わりに資産も失います。

破産手続きとは、債務と資産を相殺する手続きということが出来ます。

相殺した結果、債務の方が大きくても、それは免除になるので借金が消えるわけですね。

あ、ちなみに、自己破産については私が解説します。

 

斧で借金をたたき割るイメージでこんな姿になってます
斧だから(債務整理の話し合いに応じない)甲冑を着込んでいるような相手にも防御無視のダメージが与えられるのか・・・

 

自己破産ができる条件

自己破産ができる条件は、自分に借金返済能力がないことです。

この条件は、返済のための資力が前提となる任意整理個人再生と、自己破産が大きく違うところです。

個人再生と任意整理は一部の借金は返済が必要。だから一定の収入が求められます
経済的にもう無理って状態が自己破産だから収入はない方が自己破産しやすいのです

自己破産が必要になる借金は一般的に1,000万以上くらいの金額がイメージされていますが、本来は決まった金額はありません。

2000万円の借金でも返せる人はいますし、300万円の借金が返せない人もいます。具体的には手取り収入から住居費を差し引いた金額の三分の一を返済に回すとして、3年間で分割返済できれば返済能力ありとみなされるのが一般的です。

130万円の借金が返済不可能と裁判所に認められて、自己破産で免責になったケースもありますよ
まあ、500万円以下くらいの借金なら任意整理の方が使いやすいから、一定の収入があったら私が解説している任意整理カテゴリーを見に来てください

収入がない、のみでは成立しないケースも

基本的には借金額に対して、収入が小さくかつ資産もなければ自己破産は成立するのですが、一部には例外もあります。それは、借金がある人が信用があって、お金を金融機関から借りることが出来るような状況では、自己破産は成立しないのです。

自分でお金を調達して、返済できるわけですから、資力がないとは言えないって判断になってしまいます。

ただ、自己破産を検討するような人は、大抵新たな借り入れは難しい状態ですが・・・

自己破産のメリット

借金がなくなる

自己破産の最大のメリットは、借金がなくなることです。債務の免責(責任がなくなること)などとも呼ばれますね。

これはすべての借金がなくなるため、経済的には非常に大きなメリットです。

借金を減らす、債務整理の方法として自己破産と並んでメジャーな手段である任意整理は、借金の一部は返済していかなければなりません。任意整理の借金返済は、数年(3年程度)間の分割で返済し続けるため、経済的には多少苦しい期間が続きます。

それに対して全額の借金がなくなる自己破産は経済的には最も有利な選択といえるでしょう。

債務の免責が最もうれしい

強制執行されなくなる

自己破産すると強制執行されなくなります。破産債権の回収は破産手続きをすべて通さなくてはならなくなるので、一旦は守られるわけです。

国税局による税金の滞納の徴収も停止されます。

これは任意整理にはないメリットです。

取り立ての厳しい国税からも逃れられるのは大きいです。特に個人で商売をしている方は消費税分が滞納になりやすいので、税金が最大の重荷だったりする場合がありますので

関係者の調整が楽

任意整理の場合、債権者全員の合意がないと債務整理が出来ません。しかし、自己破産は問答無用の破産なので、債権者との調整が必要ありません。

裁判所の関与のもとに、粛々と処理が進んでいきます。

また、任意整理だと裁判所を通さない分、債権者から実は資産を隠しているのではないかと疑われることがあります。一方、自己破産は裁判所が間に入っている以上、資産を隠している可能性は低いとみなされます。そのため、債権者からの納得感が得られやすい面があります。

一定の財産が合法的に残せる

自己破産したからと言ってすべてお金が取り上げられて、文字通り無一文になるわけではありません。破産者の財産のうち、破産財団を構成する資産だけが債権者に取り上げられることになります。

現金なら99万円まで残すことが出来ます。

自己破産すれすれの生活をしていたら、すべての財産を債権者に取り立てられるわけですから、99万円でも手元に残せればかなり有利です。そのお金を使って生活の再建に役立てましょう。

これは破産法34条3項1号に規定されており、法定自由財産と呼ばれます。

他にも手元に残せる財産として、差し押さえ禁止動産として以下のものがあります。

  • 債務者の生活に必要不可欠な衣服、寝具、家具(TV、エアコン、冷蔵庫、タンスなども必要不可欠と認める判決がある)
  • 生活に必要な一か月分の食料、および燃料
  • 2か月分の必要生活費(現在の水準だと66万円)

また差し押さえ禁止債権として以下のものも手元に残せます。

  • 給料、退職年金および賞与の四分の三が差し押さえ禁止(ただし33万円以上になると別途制限あり)
  • 年金給付を受給する権利
  • 失業保険を受給する権利
自己破産しても無一文になるわけじゃなくて、それなりのお金は手元に残ります

費用も割と安いし分割可能

自己破産の費用は、ほとんどの人が利用する同時廃止(財産がない人向けの自己破産方法)の場合は35万円程度で利用可能です。

財産の処分などで時間がかかる管財事件や少額管財事件ではもう少し費用が掛かりますが、(お金がないから相談に来ているわけなので)弁護士事務所では費用の分割払いに応じてくれますし、初期費用ゼロ円で相談に乗ってくれます。

お金を心配して自己破産できないようじゃ制度の趣旨と反するので弁護士さんに相談してみましょう。何とかなります

自己破産のデメリット

職業が制限される

自己破産して破産者になると、仕事の種類が制限されます。以下に破産者がつけない仕事を挙げます。

  • 警備員(警備業法14条1項)
  • 建設業者(建設業法8条1号)
  • 宅地建物取扱業者(宅建業法5条1項1号)
  • 生命保険募集人及び損害保険代理店(保険業法279条1項1号)

このように、信用力が求められる職業には、それに係る法律が存在します。その法律によって破産者は、その職業に就くことが出来ないと定められているので、職業が制限されてしまうことになります。

任意整理では、民事上の和解なのでこうした制限はありません。

自己破産して借金がなくなっても、収入を得る手段がなくなったら今後困るので、上記の職業で稼ぎたい方は任意整理を利用しましょう。

自宅が取り上げられる

破産した場合、マイホームは手放さなくてはならなくなります。

自宅を換金して、債権者に借金返済しなくてはならなくなるからですが、これは住む家が取り上げられるという大きな負担です。

また、家を換金しても、中古物件であるため、思うような値段で売れない可能性は高いです。せっかく手に入れた家を、安い値段で手放すのはなんとも悔しいものです。

破産を勤務先に知られる可能性がある

自己破産すると、破産者として官報に公示されます。

国立印刷局のwebサイトには、官報が一定期間載せられているため、調査している会社には自己破産はバレやすくなっています。

企業によっては、かなり例外的ですが、官報を定期的に調査しているほか調査機関に依頼するケースもあります。

ただし、この可能性は実際にはかなり薄く、官報を頻繁に見えいる会社はほとんどありません。

通常はあまり心配しなくて良いでしょう。

自己破産に対する誤解

自己破産のデメリットとして、以下のような誤解があります。

  • 自己破産すると選挙権及び被選挙権がなくなる
  • 戸籍や住民票に破産の事実が公表される

これらは代表的な自己破産に対する誤解ですが、いずれもそんなことはありません。

他にもいくつか悩ましいポイントがあるので、見ておきましょう。

誤解:ギャンブルの借金は絶対に自己破産できない

ギャンブルによる借金は自己破産法で定められている免責不許可事由(自己破産できない理由による借金)になっています。ただし、借金の発端がギャンブルでも、その後家計が火の車になって、自転車操業的に借り入れが増え続けた場合は、自己破産できる場合もあります。

また、免責不許可事由は裁判所が柔軟に解釈する傾向があるので、自己破産をあきらめる必要はないともいます。

誤解:自己破産すると、家族や恋人にバレる

自己破産は裁判になるので、家族や恋人に知られてしまうと思っている人もいます。

確実に知られないとは言えないのですが、普通は家族や婚約者にも内緒で自己破産できます。

なぜなら、自己破産を申し立てで裁判所に出廷しなくてはいけないのは、破産手続き開始時(一番最初)と免責許可の審尋(最後に自己破産が認められるとき)の2回だけです。

そのため、ほとんどバレることはないと考えて良いでしょう。

ただ、道義的には恋人が婚約者レベルの関係性なら、内緒で多額の借金がある段階で問題なので、知らせておく方が良いとは思いますが。

誤解:外国籍だと自己破産できない

日本には在日朝鮮人の方をはじめ、多数の外国籍の人が済んでいます。昔の旧破産法では、その人の母国の法律に基づいて破産制度を適用するという観点があったので、外国籍の人は自己破産できない(できるかわからない)と思われていることもあります。

しかし、現在の裁判所では、外国籍の人でも、支払い不能状態にありかつ免責不許可自由に該当しなければ、日本人と同様に自己破産を認めています。

誤解:自己破産すると子供の将来に悪影響がある

自己破産はイメージが悪く、職業選択が一部制約されるなどイメージから、法律的に不利な扱いを受けて子供の人生にも悪影響があるのではないか、と心配する人がいます。

 

しかし、親が自己破産したからと言って、子供の進学や就職に悪影響が出ることはありません。

自己破産したことは戸籍には載らないので、お子さんが住民票や戸籍証明書が必要になったとしても、両親が自己破産をしたこと自体が知られることがないのです。

お子さんへの影響は気になるでしょうが、心配はいらないのです

 

まとめ

  • 自己破産は借金が返せなくなった人の最終手段。資産をすべて放棄する代わりに、借金もすべてなくなります。
  • 資産をすべて放棄すると言っても、生活必需品は手元に残せるし、お金も99万円までは残せます。
  • デメリットとしては、ブラックリストに載って金融取引が制限されるほか、警備員など一部の職業に就くことが制限されます。
  • 自己破産しても子供の将来には影響なし。むしろ借金で苦しむ両親の姿を見せずに済む分、自己破産や他の債務整理で借金問題を解決した方が良いでしょう。

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