もし、あなたが年金を担保に借金をしていたら、相手は違法業者です。
なぜなら、借金の担保に、年金をもらう権利(受給権)を差し出させることは違法行為だからです。
唯一、独立行政法人福祉医療機構だけは年金を担保にした貸付、年金担保貸付を営むことが認められますが、それ以外の業者からの借金なら違法な闇金からの借金と言えます。
独立行政法人福祉医療機構の年金担保融資は、年金を受給している銀行や信用金庫などが窓口になっています。そのため、ご自分の年金用口座として利用している金融機関以外から年金を担保にしてお金を借りていたら、相手は闇金ということになります。
ただちに、闇金専門の弁護士さんに相談しましょう。
闇金対策を知り尽くした法律家 Duel法律事務所
なぜ年金担保融資は違法か
そもそもなぜ年金を担保にするのは違法なのでしょうか。
年金は老後、労働によって収入を得ることができなくなった人たちの生活を支えるものです。
財産がない人にとっては、年金の受給権は唯一の収入源になるでしょう。
その年金の受給権を担保として押さえてしまっては、生きること自体が困難になってしまいます。
年金の担保は、生活・生命を脅かすことに直結してしまうわけです。
だから、年金の受給権を担保にお金を貸すことは禁止されているのです。
個人再生する場合、違法な年金担保債務の扱いは?
年金を担保にした借金は控除良俗に反する違法行為なので無効です。すなわち返済する必要はありません。
でも、違法な年金担保貸付に加えて、普通の借金がある場合はどうしたら良いでしょうか?
ここでは、個人再生を例に考えます。
個人再生では、債権者一覧を用意します。
その債権者一覧に違法な年金担保貸付業者(闇金)を載せるかどうかに迷います。
結論としては、違法な年金担保貸付による借金は法律的に無効なので、債権者一覧に記載する必要がありません。
ただ、闇金からの借り入れがあることが分かるように、ヤミ金業者の名前だけ記載するという手段もあります。
この辺は弁護士さんに相談して決めれば良いでしょう。
違法でない年金担保貸付は?
違法な年金担保貸付について説明してきましたが、ここからはきちんとした法的に認められた年金担保貸付について説明します。
日本で法的に認められている年金担保貸付を営んでいるのは、独立行政法人の福祉医療機構だけです。
福祉医療機構とは、2003年10月1日に国民の福祉・医療環境の向上を目的として設立された独立行政法人です。
福祉医療機構だけは、高齢者が一時的に必要なお金を貸すために、年金担保貸付を行うことを認められています。
財産も収入もない高齢者が、家の屋根から雨漏りがするため一時的にお金が必要、みたいなケースでは、年金を担保にしてでもお金を貸してあげたほうが、高齢者のためです。
そのように、年金を担保にしたとしてもなお貸し付ける価値が高い支出に対して、融資を行っているので福祉医療機構は適法な存在なのです。
闇金のように、パチンコ代や浪費のために貸し付けるわけではないのです。
福祉医療機構が行っている年金担保貸付事業は、国民年金や厚生年金保険などを受給している人が、年金の満額か定額を返済に充てるという条件で融資を行います。
福祉医療機構の年金担保貸付を債務整理する場合
違法な年金担保貸付を返済する必要が無いと説明してきました。
しかし福祉医療機構が営む適法な年金担保債権は、返済しなくてはいけないものです。そのため、返済できない場合は債務整理の対象となります。
年金担保貸付はどんな債務整理方法を選ぶべきか
消費者金融と年金担保貸付があるケースでどのような債務整理を行うべきか考えてみましょう。
年金担保貸付は、年金の返済を担保にする別除権付き債権になります。
そのため、年金担保債権がある以上は、年金を(一部または全部)受け取ることができません。
一部のみを担保にしている人はまだしも、全部を担保にしている人は、任意整理や個人再生は難しいでしょう。
任意整理も個人再生も、本人の収入がある程度あることが前提となる債務整理方法です。
そのため、本人の収入が無くても債務整理できる自己破産を検討するのが第一の選択肢となります。
ただし、自己破産をしてしまうと住宅などの財産を手放さなくてはならなくなるので、手元に置いておきたい財産がある人は、弁護士さんに相談しながらほかの債務整理方法を探るのが良いでしょう。
まとめ
年金担保債務は違法なものと適法なものがあります。
違法なもの:闇金→闇金相談に強い弁護士へ
適法なもの:→福祉医療機構→東京ロータス法律事務所 公式