任意整理は債務整理の手続きの中ではもっとも負担の少ない方法と言えます。
任意整理の基本はこちらをご覧ください。
ただし、任意整理は裁判所を通さずに債権者との直接交渉で借金減額を認めてもらう方法なので、債権者が認めてくれないと成立しません。
債権者が認めてくれないような無理な条件を出してしまうと成立しないので注意が必要です。
ここでは、任意整理を成功させるためにはどのような点に注意が必要かについて解説させていただきます。
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任意整理後に返済能力がないと成功しない
任意整理のポイントは債権者側に同意してもらうことです。
債権者の同意抜きでは任意整理は成功しませんので、債権者が認めてくれる基準を理解しておく必要があります(債権者が金融機関の場合はだいたい相場が決まっています)
具体的には債権者側としては減額後の借金を3年程度の期間で完済できるように借金残高や毎月の返済額の調整を求めてくることが多いです。
例えば、100万円の借金があるという方であれば36ヶ月(3年間)で借金を完済するためには、
100万円÷36ヶ月=27,777円
以上の金額を、毎月の返済額として設定しないと債権者側も任意整理に応じないと考えられます。
自分の月収で、任意整理で減額したのちの借金を十分返済できることが必要です。
任意整理は、債権者の納得を得ながら手続きを進める必要があるので返済金額が少なくなりすぎ、債権者の反発を受けないようにしましょう。
金融機関以外の債権者が相手の場合
債権者が金融機関(銀行や消費者金融など)である場合には、任意整理に応じてもらえないケースは非常にまれです。
金融機関はお金を貸すプロなので、同じく法律のプロである弁護士からの和解交渉には前向きに応じてくれます。
債務者側と債権者側がプロ同士として前向きに交渉できるわけです。
多重債務者になっている人からは、全額回収できないことは分かり切っているので、任意整理を認めて一部でも回収しようとします。
ですが、債権者が金融機関以外の人(知人や事業の取引先など)である場合には、任意整理には応じてくれないケースも珍しくありません。
金融機関は任意整理などの債務整理はある意味仕方ないと割り切って考えていますが、一般の事業会社や個人は「なぜ借りたものを返さないんだ。減額しようとするんだ」と感情的に考える可能性があります。
任意整理は債権者側の同意が得られないと成立しませんので、相手が同意してくれない場合には裁判所を通した強制的な手続き(つまり債権者側の合意が必要ない方法)に移行する必要があります。
裁判所を通した方法としては個人再生(給与所得者等再生)や自己破産といった方法があります。
これらの方法を選択した場合には任意整理のように「利息の免除」だけではなく、借金元本の減額や全部免除を得られるというメリットもあります。
関連記事:債務整理に対する金融機関の対応(任意整理と個人再生の場合)
金額の大きい借金を司法書士に依頼してしまう
司法書士は借金額が140万円を超える任意整理(債務整理)案件を取り扱うことはできないので、借金額が大きいのに司法書士に依頼してしまうのは失敗です。
これは任意整理を専門家に依頼するときの注意点として代表的なものです。
司法書士と弁護士では扱える事件の(借金の金額)範囲が違うということはよく認識しておきましょう。
弁護士はすべての法律事件の代理を行うことができますが、司法書士は一定金額を超える事件については代理を行うことができないのです。
司法書士が扱える事件の範囲は「簡易裁判所で解決される事件」のみと決まっています。
簡易裁判所というのは争う金額が小さい場合などに利用できる裁判所のことで、具体的には争う金額が140万円を超えない範囲である場合に利用できます。
相談相手 | 対応できない場合 |
---|---|
弁護士 | どんな金額の借金でも対応可 |
司法書士 | 借金額は140万円まで(家庭裁判所で扱える金額まで) |
- 司法書士は140万円超の借金の場合は債務整理を依頼できない
専門家に依頼する側の立場としては「借金の金額が1社当たり140万円を超える場合には司法書士ではなく、弁護士に依頼する必要がある」ということを理解しておきましょう。
この140万円という基準は、借入先1社あたりなので、小口の借金額積み重なって140万円超になってしまったって場合には司法書士でも対応でします。
それと裁判上の代理ができる司法書士は単なる司法書士では足りず、「認定司法書士」に限られていることも知っておくと良いでしょう。
手放したくない財産に対応する借金を任意整理してしまう
任意整理は家や車を手元に残しながら債務整理できる方法です。
しかし、住宅ローンを任意整理の対象にすれば家は取り上げられます。
住宅ローンの担保にマイホームがなっているため、住宅ローンを任意整理してしまっては、それを手元に残すことはできません。
同様のことは、カーローンや携帯電話の割賦金にも言えます。
どうしても手元に残したい資産に対応する借金は、自力で返済するしかないのです。
ゼロ和解に応じてしまう
ゼロ和解って聞きなれない言葉だと思いますが、過払い金をもらえるケースで「少額だからいりません」とゼロ円で和解してしまうことです。
過払い金が1万円以下の場合、金融機関は「ゼロ和解でお願いします」と提案してくる場合があります。
金融機関側も少額の借金は、債務整理の際にチャラにすることを認める場合があるので、自分たちも少額なら払わない方向でお願いするってスタンスです。
ただ、当たり前ですがゼロ和解は全く意味がありません。
たとえ少額でも、もらえるお金を放棄してしまうわけですから。
なので、ゼロ和解を認めてしまうと、ある意味失敗なのです。
まとめ
以上、任意整理が失敗に終わってしまう例について解説させていただきました。
任意整理は裁判所を通さずに行う方法であるため、債権者側が同意してくれるぎりぎりの条件で交渉する必要があります。
多くの場合は「利息の免除」を求めて金融機関の担当者などと交渉することになりますが、法律家ではない個人の人が交渉を求めてもなかなかスムーズに進まないことが多いのが実叙情です。
また、いったん結んでしまった和解契約は後から撤回することができなくなってしまいますので、どのような形で任意整理を行うかについては慎重に判断する必要があります。
任意整理は弁護士や司法書士などの専門家に依頼して行う方が安全性が高いと言えるでしょう。
そして借金額が140万円以下の場合を除いて、弁護士に依頼するのが安全です。
相談だけであれば無料で受け付けてくれている専門家事務所がほとんどですので、一度相談してみることをおすすめします。
任意整理で失敗しないために、おすすめの弁護士事務所。
債務整理を専門に取り扱っている弁護士事務所に相談しないと、断られるケースもあります。
また、弁護士さんの交渉力で債務の削減幅も変わってくるので、債務整理を行う経験豊富な弁護士事務所を選びましょう。
東京ロータス法律事務所
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