借金の返済が遅れると、債権者は回収に来ます。
怖いですよね。
でも、債権者がどのような考え方で来ているかっていうのがわかると、対策できるようになるでしょう。
債権者の考え方を知ろう
借金返済を迫られた場合、相手(債権者)がどのようなことを考えて、こちら(債務者)から借金を回収しようとしているのでしょうか?
相手の考えていることが分かれば、少しでも有利に交渉できるようになります。
今回は債権者側の借金回収方法を見てみましょう。
借金返済を迫ってくる手順
書面や電話による請求
まずは、書面や電話で請求するパターンを見てみましょう。
直接回収に来られるのに比べて、書面や電話だと債務者側も少し気楽です。
もしかしたら、このままずっと無視しても大丈夫なんじゃないか?なんて思ったりします。
でも、それは大間違いです。
詳しくは下を見てください。
心理的な効果
債権者が債権回収の手段としてまず行うのは、債務の請求することです。
書面でも電話でも請求していれば借金が時効になることはありません。
そのため、手軽でコストのかからない書面や電話での請求をまず行うのが債務者の手順です。
債務者に対する請求方法としては、電話によるものが一般的です。
借金回収もただでできるわけではありません。
遠方への出張には数万、数十万単位のお金がかかるでしょう。こうした費用と借金回収という効果を天秤にかけて、電話での回収をまず目指してきます。
さらに請求をすれば、借りた側は悪かったと思うもの。そういった心理を利用して、心理的な圧力かけてきます。こうした心理的な圧迫は任意整理の交渉においても活用されます。気を付けましょう。
書面請求の法律上の効果
そして、請求することで(債権が期限付きのものでない場合には、)請求することによって期限が到来したことになり、債務者に支払義務が発生します。
その時点から債務者は債務不履行となって、債権者は遅延損害金(債務者が期日までに支払わなかった場合に債権者がペナルティとして請求できる全額)の請求もできるようになります。
上にも書きましたが請求には時効を中断させる効力もあるので、債権者は請求することの重要性を認識しなければなりません。
直接接触してくる
債務者はいつでも接触してくる
請求をしただけでは債権の回収がかなわないときには、債権者は直接接触を持とうとします。書面による請求が効果的でないと考えるわけですね。
本気で債権を回収しようと思ったら、やはり債務者と直接会って話してみるって結論になりやすい。接触の現場は、債務者の会社でも、自宅でもどちらでもあり得ます。
つまり、債権の内容や債務者との関係などさまざまな事情を考慮して、もっとも効果的な時間、場所を選んで接触してきます。
非常識な時間に接触があったら抗議しよう
債務者が訪問する時間帯については、非常識な時間でなくてはならないとの制限があります。
そのため真夜中や早朝などに接触してくるようでしたら、抗議しましょう。
午後9時から午前8時は債務者に接触してはいけないことになっています。これには直接の接触だけでなく、電話での接触も含みます。借金回収にはやる債権者が起きかけてきた際は、その記録をきちんと残しておきましょう。
また、反社会的な言動や常識に欠ける行為があった場合には、そのことを問題にすべきです。
借金をしている側にもにも有利な条件を示してくる
借金回収の手段は様々です。しかし、債権者にとって、債務者が自己破産してしまっては元も子もありません。ですので、債務者側にも有利になるような条件を提示して、 借金を前向きに返済するように促してきます。
具体的には
- 利息分の支払いを免除して元本を支払うように求める
- 返済期日を延ばす代わりに金銭消費貸借などの新しい契約を結ばせる
- 一括払いが原則の債務の分割払いを認める
- 一回当たりの返済金額を減らす。一方で返済回数を増やす。
などの条件を提示してくるケースがあります。
このような条件変更は借金をしている側(債務者)にとって有利になるケースが多いので、中身をきちんと検討して、承諾すべきものは承諾しましょう。
支払約束書を要求してくる
債権者が債務者のもとにくる際は手ぶらでは帰れません。お金を回収できれば債権者にとってベストですが、毎回そううまく行くとは限りません。
債務者側もないお金は返せないわけですから。
ただ、手ぶらで帰れば、彼らも会社という組織に所属している人間です。
無能との烙印が押されてしまうのは避けねばなりません。
そのため、債務者は支払い約束書を書くように迫ってくるケースがあります。
この支払い約束書を取ることで、その債務(借金)が確かに存在していることを、法律的にも一層強固に主張できるようになるからです。
支払約束書に期限の利益の喪失条項を入れてくる
また、債務者側がしぶったケースでは、支払約束書に分割支払いを認めてくることがあります。
しかし、その中に、分割支払いが遅れれば一括して債務を返済しなくてはならない、とした期限の利益喪失条項をいれてくることが一般的です。
支払が遅れるようだと、債務者はこの条項を盾に一括返済を迫ってくるので、自分の返済力をよく考えて、支払約束書にサインするようにしましょう。
相手が作った契約書の中身を見ないでサインすることは論外です。
借金支払い延期の申入れをすれば、相手は返済を確かなものにするチャンスととらえる
借金をしていて月々の返済が難しくなると、支払いの延期をお願いしてみたくなるものです。そうした申し入れを借金をしている側がしたら、回収側(債券者)はどのように考えるのでしょうか。
契約条項に違約金の項目を追加
支払の延期にこれまで違約金を定めていないばあい、これを機会に返済が遅れたら違約金を支払うとの条項を入れて、契約を結ぼうとします。
支払延期を認めてもらうためにはやむを得ないケースもありますが、違約金が法外でないかは十分に検討すべきでしょう。
金銭消費貸借を結びなおす
金銭消費賃借は時効期問が10年です。この時効が伸びるように新たな金銭消費貸借契約を結ぼうとします。
担保をとる
借金に担保をつけていない場合には、債務者が持っている不動産(土地・建物)や動産(車など)などに担保を設定しようとします。担保を設定することで、借金の回収が容易になる上に、他の債権者と回収を競う局面でも優位に立てるからです。
債権(借金を回収する権利)を譲渡(売却)する
借金というのは、貸している側から見れば、資産になります。借金を回収すれば、債務者にはお金が入るので、資産というのも納得ですね。
そして、資産である以上は借金(回収する権利)は別の誰かに売られることもあります。
その際、債権の売買は必ず債権者から債務者に通知しなければならないことになっています。
知らない間に債務の持ち主が変わっては困ってしまいますからね。
もし、自分の持っている借金を買い取った債務者が現れたら、借金の減額を交渉すべきです。買い取った金額は、借金の総額より低い金額で買い取っているので、減額されても十分に買い取った側の利益になるからです。
ギャンブルの借金なら強気に出てくる
ギャンブルの借金は一般的に自己破産できないと言われています。
実際はギャンブルの借金でも免責されるケースがありますが、債務者がそんなことは知らないと思って、債権者は強気に出てくるケースが考えられます。