浪費癖があり、クレジットカードを使い込んだり、借金を増やしてしまったりということが多い息子を持つ親は、息子が払えない借金を代わりに返済した経験がある人も多いのではないでしょうか。
しかし、息子が払えない借金やクレジットカードの支払いを肩代わりしてあげても、根本的な解決にはなりません。
むしろ、子供の浪費癖はますますひどくなってしまうでしょう。
すぐに借金をしてしまう息子さんへの対策はどうすればいいのか、浪費するタイプ別に対策を紹介していきます。
息子さんの借金に悩む人は参考にしてみてください。
息子の借金タイプ別対策
一言に浪費癖があるといっても、その方法は人によってまったく違ってきます。
また、対策もそれぞれによって変える必要があるため、浪費してしまう原因別に対策を確認していきましょう。
賭け事の借金:ギャンブラー型借金
浪費癖があるという人の多くに該当するのが、パチンコやパチスロ、競馬や競艇などのギャンブルにつぎ込んでしまう人です。
ギャンブルは一度大当たりをしたことがある人ほど、再び儲けることができると夢を見てしまい、さらにギャンブルから抜け出せなくなるといいます。
ギャンブルにはまってしまうと、自分の現実から逃避するかのようにギャンブルに没頭してしまうため、お金を借りてでも続けてしまう人がいます。
こうなってしまうと親が注意をしても辞めないことが多く、精神的にも依存してしまう「ギャンブル依存症」になっている可能性が高いです。
このような息子さんには依存症の治療が必要になるケースもあるため、もう親が貸せるお金がないことを強く宣言し、治療を受けることをすすめましょう。
ギャンブル依存症の相談先
・依存症対策全国センター
https://www.ncasa-japan.jp/you-do/treatment/treatment-map/
全国の依存症専門相談窓口と医療機関が検索できます。
・GAギャンブラーズ・アノニマス
http://www.gajapan.jp/index.html
ギャンブル依存症の人の手助けをしている自助グループ。
会費も会員になる必要もなく、いつでもミーティングに参加できる。
・一般社団法人ギャマノン日本サービスオフィス
http://www.gam-anon.jp/
ギャンブル依存症本人のために自助グループ。
医師・カウンセラーなどは同席せず、ギャンブル依存症本人の家族・友人という同じ立場の人たちが集まってミーティングを行っている。
ファッション、飲み会などにお金を使う:遊び人型借金
ファッションやブランドにこだわったり、飲み会や合コンが好きだったりする息子さんの場合は、高級ブランドの服をつい買ってしまう、女性にミエをはるために高いお店で飲み食いしてしまう、ということも多いようです。
特にブランドのバッグや洋服などを身に着けないと気がすまないタイプの人は、自分には買うお金がなくても借金をしてまで買ってしまう傾向にあります。
まわりに無理をしていることがばれたくないために、さらに借金を重ねるといったケースもよく見られます。
飲み代にすぐに使ってしまうという場合はそれほど浪費癖が重症化しにくいですが、服やバッグをすぐに買ってしまう「買い物依存症」になってしまうとなかなか抜け出せなくなります。
この場合も、親が代わりに払っていると重症化してしまうため、親が子供にクレジットカードの家族カードを渡している場合はカードの利用を停止し、今後は親が払えないことを強く意思表示しましょう。
依存症になっている可能性がある場合は専門の治療を受けさせる必要もでてくるでしょう。
いずれにしても、早めに対処をすることで買い物依存症も早く克服できる可能性があります。
◆買い物依存症の相談先
・依存症対策全国センター
https://www.ncasa-japan.jp/you-do/treatment/treatment-map/
全国の依存症専門相談窓口と医療機関が検索できます。
・DA(デターズ・アノニマス)
https://kaimonorouhi.jimdo.com/
強迫的買い物・浪費・借金依存症で悩んでいる人の自助グループ。
ミーティングには名前を名乗る必要もなく、家族も参加できる。
資格取得、学習にお金を使う:自己啓発型借金
あまり多くはありませんが、自分がスキルアップをするためにやたらお金をつぎ込むタイプの人もいます。
資格を取るためと聞くとつい親もお金を出してしまうことが多いでしょう。
しかし、仕事に活かすというよりも資格を取ることが目的になってしまう人もいます。
また、英会話学習などにはまると教材も高くなりがちです。
何十万円単位の教材を買ってしまい、その後ろくに使わないのにさらに別の教材も買ってしまうという人もいるようです。
さらに自己啓発にお金をかけてしまう人の中には「自己啓発セミナー」など怪しいセミナーに出席するようになってしまう人もいます。
このようなセミナーは、出席するために高いお金を払わされ、さらにその後も継続的に指導を受けるために高いお金を払い続けさせられるということもあり、中には悪質な会社も多いです。
このようなことにはまってしまうと親の言うことを聞かない人が多いため、どうしても辞めない場合は息子さんが言うことを聞きそうな知人に相談をするなど、早めの対処が必要です。
◆自己啓発セミナーの被害にあった場合の相談先
・独立行政法人国民生活センター(各種詐欺被害相談窓口)
http://www.kokusen.go.jp/
・法テラス(国が設立した司法支援センター)
https://www.houterasu.or.jp/
スマホゲーム、ネットゲームにはまる:ニート系借金
最近増えているのが、スマホなどのゲームで気軽に課金してしまい、その金額が考えられないほど高額になってしまうタイプの人です。
スマホのゲームは進歩していて、内容が面白い上にどこでも気軽に友達と一緒にゲームができることで、スマホゲームにどっぷりはまってしまう人が続出しています。
ただ無料でしている間は問題ないのですが、どうしてもゲーム内で強くなりたい、レアな強いキャラが欲しいなどにより、課金をしてしまう人も少なくありません。
月にいくらまでと課金の金額を決めている人はまったく問題ありませんが、際限なく課金してしまう人は月に10万円単位で課金してしまうこともあるようです。
課金をしてゲーム内で強くなってしまうと、その後維持するためにさらに課金をせざるを得なくなり、借金をしてまで課金を続けてしまう結果になってしまいます。
親がスマホ代を全額出している場合は、すぐに払うのをやめることが大切です。
もし課金をするなら自己責任ですることをまず宣言しましょう。
また、自分で借金をしてしまい、その支払いを親に求めてくる場合も同じく、親には返済するお金がないことを強く意思表示し、肩代わりはしないようにしましょう。
何度も肩代をしてしまうとそれが当然のようになってしまい、スマホゲームの依存症のようになってしまうリスクがあります。
すでに依存症のようになっている場合は、治療ができる医療機関などを利用するようにしましよう。
◆ネットゲーム依存症の相談先
・依存症対策全国センター
https://www.ncasa-japan.jp/you-do/treatment/treatment-map/
全国の依存症専門相談窓口と医療機関が検索できます。
お金を肩代わりするのはダメ。弁護士に相談すべき
ここまで借金のタイプ別に対策を紹介してきましたが、ギャンブルや買い物にはまってしまうと借金をしてまで続けてしまう依存症になってしまう人が少なくありません。
借金も自分で払えない状況になると親に助けを求めることも多いですが、助けることは息子さんのためにはなりません。
むしろ親が助けることでますます依存症が悪化する可能性が高いです。
また、親でも払えないほど借金が高額になってしまうと、もはや息子さんだけの問題ではなくなってしまうでしょう。
その場合は、弁護士に相談して息子さん自身で解決できる方法を考えましょう。
息子さん自身で解決させることで、自分がどれだけ無駄な借金をしているのか自覚させて二度と同じ過ちを繰り返させない効果も期待できます。
具体的な方法としては、払えないほど膨らんだ借金は「債務整理」をすることで解決することが可能です。
債務整理の中でも、全額借金が0になる自己破産は有名ですが、必要最低限の財産以外は没収されてしまうリスクがあります。
そのため、息子さん自身に返済する能力があるのであれば、任意整理や個人再生などの方法も選択できます。
借金の金額によって債務整理の選択肢は変わるので、一度弁護士などの専門家に相談してみることをおすすめします。
まとめ
息子さんから借金で困っていると相談されてしまうと、親はどうしても肩代わりをしてしまうケースが多いです。
しかし、ギャンブルや買い物、ネットゲームなどで依存症になってしまうケースにはこのように親が払ってしまっていることが原因の1つとも言われています。
そのため、子供から借金の肩代わりを要求されても何度も応じずに、子供自身に解決させるように話し合いをしましょう。
弁護士に相談すれば借金の減額などができる債務整理の方法も選択できます。
借金の肩代わりは子供のためにならないということを親が自覚することが大切です。