借金問題の基礎知識

手形保証をしてくれと言われたのですが、どのような保証かわかりません。サインしても大丈夫ですか。

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連帯保証債務の中でもっともリスクが高いものの一つが「手形保証」です。

このような相談がありました。

手形保証の相談30年来の親友が中小企業の社長をしています。

彼から『手形保証をしてほしい』と頼まれました。

『ちょっと考えさせてほしい』と答えましたが、親友は急いでいるようで、毎日催促の電話がかかってきます。

親友ですし、一肌脱いであげたい気もします。

しかし、妻に言ったら怒られそうなので、返事ができかねています。どうしたらいいでしょうか。

事業の支払いによく使われる「手形・小切手」。今回は、この「手形」の保証人を頼まれたというご相談です。

結論を先に申し上げますと、「大変リスクが高いので、やめた方が良いですよ。」とアドバイスしました。

相談者さんがもちかけられた「手形の保証」とはどのようなものなのでしょうか。詳しくみていきましょう。

そもそも「手形」って何?

事業では、仕入れ代金や工事代金などで高額の支払いが必要な場面がよくあります。

そのときに、いつも現金を大量の持ち運ぶのは盗難の危険などがあって心配ですよね。

そこで、支払う人は、現金は銀行に預けておいたままで、「この紙を持ってきた人に書かれている金額を渡す約束をしたので、支払ってあげてください」という証明書を渡します。

そして、証明書をもらった人が銀行に持っていくと、お金を支払ってもらえる、という仕組みです。この証明書にあたるものが「手形」や「小切手」です。

同じ証明書ではありますが、「小切手」は、証明書を渡してから支払いまでの期間が短く、「手形」は支払いまでの期間が長いという特徴があります。

もらった手形で次の支払いをする方法=「裏書」

手形は、「もらってから、支払いまでの期間が長い」と書きましたが、一般的に3か月以上あるのが普通です。

もらった事業者としては、支払日までの3か月間、そのまま持っているだけではもったいないので、活用したい、と考えますよね。

確実に支払ってもらえるという前提=信用のもとに発行されているのが手形ですから、その手形をそのままほかの仕入れ先などに渡すことで支払いをする、という方法で活用することができます。

その際、間違いなく次の人へ渡したことを証明するために、手形の裏面にサインをして、次の支払い先に渡します。

手形をもらった会社は、表面に書かれた支払い日までの間なら、裏面にサインをすれば、またほかの会社への支払いに使うことができます。

このようにして、裏面のサインによって、手形は誰から誰へ渡っていったかが分かるのです。

手形の裏面のサインのことを「手形の裏書」といいます。

裏書をすることで、次から次へと渡すことができるので、「裏書」は手形の経歴書のようなものです。

手形の裏書は「保証」になる

手形の裏書は、保証的な役割も担うことができます。

ちょっと分かりにくいので、例をあげて説明します。

例えば、手形振出人(発行した人)A社が支払日にお金を用意できなかったとします。

これを手形の不渡りといいます。

すると、A社から手形を受け取っていたB社はお金をもらうことができません。B社が手形を受け取っただけであれば、B社が損をして終わりです。

しかし、B社がその手形に裏書をして、次のC社への支払いに渡していた場合はどうなるでしょうか。

A社が支払いをできていたならば、A社から(B社をとばして直接手形を持っている)C社へと支払いが行わるはずでした。

しかし、今回A社は支払ができませんでしたから、C社はお金を受け取ることができません。

しかし、C社は、A社と直接取引があったわけではないので、債権はあくまでもB社に対する債権です。

ですから、C社はA社の手形を現金に換えることができなかったというとは、B社から代金を受け取れなかったということと同じ意味になります。

C社はB社に対して代金を請求する権利を持つのです。

つまり、C社はA社が支払いをできなかったときは、B社にから代金を払ってもらえるのですから、B社はA社の支払いに対する保証をしているのと実質的には同じことになります。

手形の「裏書」と「保証」の違い

手形の裏書には保証の意味合いがあると言いましたが、手形の「保証」との違いはなんでしょうか。

手形の保証が、手形の裏書と違う大きなポイントがあります。

手形の保証と裏書の違い:1000万円の手形のうち500万円のみを保証する、といった風に「一部についてだけ保証ができる」という点です。

裏書による保証効果は全額が対象となりますので、裏書では一部の保証はできません。

次に、「手形の裏書」では、自分が手形を渡した次の人に対してのみ保証をしますが、「手形の保証」の場合は、その手形の持ち主が誰になったとしても、その支払いについて常に保証するという意味を持ちます。

なお、振出人だけでなく、裏書人が保証される側になることもできます。

ただし、「誰への保証」と明記していなければ振出人への保証と判断されます。

また、見た目上でも、手形の保証は、手形の表面(もしくはその補箋上)に記入するため、違いは一目瞭然です。

手形の「保証」が必要な場合とは?

多少の違いはあるものの、手形の裏書にも保証の役割があるとなると、手形に保証人などつける必要はないはずです。

それでは、今回の相談者さんが依頼された「手形の保証」が必要な場合とはどのような場合でしょうか。

手形の取引は、期日には間違いなくお金が払ってもらえる、という信用、信頼のもとに成り立っています。

ですから、手形に保証が必要だというのは、手形の振出人になんらかの問題があり、手形の振出人に対する信用が低い状態だと言えます。

手形に保証人をつけることによって、振り出した手形を補強し、信用を保つのです。

信用が低いということは、銀行や支払先から、期日に支払ってもらえないかもしれないと怪しまれているということにほかなりません。

もし、そのような状態でないにも関わらず保証人をつけた場合は、逆に、手形を受け取った相手に、資金繰りが危ないのではないかという疑念を抱かせるおそれがあります。

ですから、実際の取引において、むやみに保証をつけさせることは、一般的にはあり得ません。

手形の怖さ

手形は形式主義ですから、通常の保証と異なり、怖い点が2つあります。最後にそちらをご紹介しておきます。

1つ目は保証人としてのサインです。振出人の名前の横に名前が書かれていれば、その書かれている人は「保証人である」という意味になってしまいます。ちょこっとメモしたつもりだったとしても、保証人としての責任を負ってしまうのです。

2つ目は、正しく有効な形式で振り出されている場合は、上記のように保証債務そのものが無効であったとしても、手形自体が無効にならないという点です。

通常の保証では、内容に間違いがあったり、錯誤などの理由で保証契約を無効にできる可能性があります(記事1「連帯保証人は辞められる?」を参照してください)。

しかし、手形は上記のような内容の瑕疵があり、負債が無効だとしても、手形の形式が間違っていなければ手形は有効で、お金の支払い義務も、その保証も止めることはできません。

結論

手形は事業の取引をする上で大変便利ではあるものの、大変怖いものであるということがご理解いただけたでしょうか。

通常の取引の保証効果を期待するのであれば、裏書で十分であるはずのところ、それでも信用が足りない場合に保証を求められる、ということでした。

このことから、今回のご相談者の親友が、相談者に手形の保証を依頼してきたということは、よっぽど手形の取り扱いについて無知であるか、よっぽど資金繰りが危なく銀行などから保証人をつけなければ取引に応じないと言われているかのどちらかだと推測できます。

しかし、30年も事業を行ってきたのならば前者は考えづらいですから、たぶん後者なのでしょう。

相談者さんの親友が資金繰りに窮しているのであれば、保証を行った手形が不渡りになる可能性が高く、それだけリスクが高いと言えます。

また、騙されたなどの理由でも、手形の形式が有効なら、保証債務を無効にすることができない点も通常の保証債務よりさらにリスクが高い点です。

手形が不渡りになり、請求されたときに支払えるだけのお金の余裕がなければ、最悪の場合相談者さん自身が破産する可能性もあるのです。

これらのことをご説明したところ、「もっと気軽なものかと思っていました。そこまでの覚悟はしていませんでしたので、よく考えて返事をしようと思います」と言ってお帰りになりました。

関連記事:相続したら連帯保証人になってしまう?知らなかったでは済まないよ

 

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